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「コンサルティング」に欠かせない3つの視点


2020/07/18 

弊社でITコンサルティングを担当させていただいている会社のひとつに、某着物通販サイト大手のK社様があります。
K社様は、上質の着物や掘り出し物を良心的な価格で提供している、日本でも有数の通販サイトを運営している会社です。

実は私は元々着物を着るのが趣味で、ちょっとしたおでかけの時にもなるべく着物を着るようにしているんです。
それで元々同社のサイトのユーザーだったのですが、ある出来事から社長さんと意気投合し、サイトについてのアドバイスをさせていただいたことがきっかけで、ITコンサルを務めさせていただくことになりました。

弊社は、ITコンサルをお請けする際に、以下の3つを大切にしています。

1.単に「ユーザ視点で提案」でなく、「ユーザそのもの」になる

どんなに優秀な社長さんでも、実際のユーザの本音を直接聴ける機会と言うのはなかなかないでしょうし、ましてや、社員が「ユーザになったつもり」というレベルの視点では、真の問題はなかなか見えてきません。

私は、自らがK社の商品を愛用するユーザとして感じた「本音」を伝えることを大切にしており、中にいる社員では気づかないこと、見落としていることをできるだけ客観的に伝え、その上で、サイト制作・運営のプロとして、どう改善したらよいかを提案するようにしています。

2.ビジネスの当事者として(ITに関係ないことでも)積極的に参加する

私はなるべくお客様主催の展示会などにもスタッフとして参加し、来場したお客様への接客を直接体験するようにしています。そのことで、スタッフとお客さまとのやりとりや、本物のお客さまの反応を自分の目で見ることができます。

最近では同社が広告を出稿する着物雑誌のユーザモデルもやらせていただきました。タイアップ広告記事だったのですが、対談形式の記事で、他にも3名のユーザ様が集まり、そこでも生の声を聞くことができました。

そういった現場に直接触れることで、「お客様の本音」を私自身が体感でき、それを社長や社員の皆様に伝えることができます。また、お客さまが何を望んでいるのか、何が本当に強みや魅力なのか、現場とサイトをどう連動すれば、最もお客さまに喜んでいただけるサービスが生まれるのか、など、真の課題や新しいアイデアなども湧いてきます。

3.その会社の「大ファン」になる

K社との出会いは、元々は私がここのユーザであり、かつサイトの使い勝手や仕様のことで「ここが使いにくいから、改善を検討された方がよい」という生意気なクレームメールを送ったことがきっかけでした。

するとなんと、社長さんから直接電話がかかってきたのです!
最初はとてもびっくりしました。が、話を聞いてみると、K社では「クレーム係は社長」と決めているとのことでした。

数多くのスタッフを抱えるネット通販の会社でありながら、社長さん自らが、より良いサービス・商品をお客様に提供するために、お客様一人一人の声に真摯に向き合っているという姿に感銘を受け、大ファンになったのです。

自身が大ファンだからこそ、思い切った意見も言えるし、社長さん、社員さんも私の言葉に耳を傾けてくださいます。 こういうお互いの信頼関係こそが、何より大切かもしれません。

「コンサルをしてあげる」という上から目線の意識では、お客様に心を開いていただくことはできません。

まず自身がお客様の大ファンになり、「当事者」になること。
それが、真に役に立つアドバイスを差し上げられるようになるための、最も有効な方法ではないかと思います。

私の提案を採用していただき、それでサイトや展示会が賑わった時などは、何よりも嬉しい瞬間です。
そのお客様やご来場者の笑顔が、私にとって一番のご褒美です!